神社参拝の手引き 昇殿参拝
さて、神前でのお参りのアレコレ、色々と書き綴りました。昨日までのは、社殿に上がらずに拝礼する際のアレコレです。
今日は、昇殿参拝(拝殿にあがっての参拝)のことを簡単に書いてみます。社殿に上がると言っても、勝手には上がれません。事前にその神社の神主さんに連絡を入れいついつ何日にお越しになるかをまず述べて、申し込みをしてください。神主は参拝やご祈祷の申し込み受付の窓口も致しております。
申し込みをすれば、約束の日時に神社に行けば、たいてい神主さんが段取りをしてくれます。中には手水などは自分で前もってしなければならないところもあるようですが、当社では、手水から社殿へ進む、そして昇殿、続く参拝やご祈祷まですべてをサポートいたします。が、気持ちを落ち着けるかどうかは半分は皆さん次第なので、そこは心得ておいてくださいね。
社殿に上がれば、修祓(しゅばつ=お祓い)から始まり、祝詞奏上、玉串拝礼、お神酒拝戴と順を追って次第を進めてゆきます。どの次第も大事なのですが、中でも玉串拝礼は参拝者ご自身に行っていただくもので、今回はそのことに重点を置き書き進めます。

玉串(たまぐし)は読んで字の如く魂の串です
玉とは魂のこと。玉串は祈りの籠もった魂を神に捧げ、同時に神の威徳を受け頂くための架け橋。使用する木の枝は榊です。年中緑の葉っぱを湛え、冬も紅葉することの無い生命力にあふれた樹木の枝を使います。榊の生息域外の地方では、これに変わる常緑樹の枝を使います(樫、柳、杉、檜、櫟など)この枝に紙垂(しで=よりしろ、祈る人の魂のよりしろ)を括り付けて整えます。
神主の祝詞が終わり、ようやく皆さんの手元に玉串(場合によっては鈴でお清めをしてから)が手渡されます。玉串はなるべく人間の息がかからないように胸高に捧げ持ちます。そのまま神前に進み、
①両手で玉串の根元(切り口のほう)を持ち、深く祈りを籠めてください。
「神様いつもありがとうございます。○○に住まいする××です。今日は~~の祈りを捧げに参りました。」位に念じるのが適当でよいでしょう。
②次に玉串を時計回りに回して、切り口を神前に向けて予め用意されていた台の上にお供えします。
③おもむろに二礼二拍手一礼の作法でお参りをします。このときに先ほど玉串に念じ籠めたことをもう一度胸のうちで復唱するのも、祈りを補完する上でお奨めです。
④元の座席に戻る。
よく玉串を捧げるときに、如何にもといった雰囲気で息を吹きかける人を見かけますが、私が知る範囲では、神に捧げるものに息を吹きかけることはご法度とされています。人間の呼吸は大事な生理現象(言葉の使い方が怪しいなあ)ですが、体内の不要なものを出す作業ですから、その息がかかるようなことはしないと言うのがどうやら本当のところのようです。
あ、それから、拝礼のときには必ず手を叩きますよね。この作法は神様をこっち向かせるためだ。と言う人も居ますが、それは大間違い。元から神様はこちらを見ておられます。では何故、手を叩くのか?実はこれもお祓いの一種なんです。如何様にしても奥に鎮まる神様と、祈る人間との間には空間が生じます。祈りを捧げる瞬間、この空間に邪(じゃ・よこしま=よからぬ邪神)が入り込まぬようにするためです。普段の生活に置き換えて言うなら、お布団を干して「パンパン!」と叩くでしょ?布団に巣食う悪い奴をたたき出す作業です。あれと似ていますね。神前でお参りするときには、是非よい音を鳴らして邪神を追っ払ってください!
多くの人が神様の徳を頂かれますように!
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| 神社の日常 | 04:18 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑